具体的な学習場面を考えた場合に、そのソフトを活用しない学習では得られない何が保障されるのか。これまでのやり方では伸ばせない「確かな学び」、実現できない「新たな学び」がどれだけ可能なのか。対価に見合うだけの教育効果を教育ソフトには望みたいものだ。
「わいわいレコーダー」はどうだろうか。総合的な学習の時間のように、共通のテーマでありながら、グループや個人で具体的な課題の解決に取り組むような学習にはうってつけである。各課題について、複数の子どもが全体の共通テーマや他のグループの活動内容を理解し、意識しながら自らの問題解決を協同的に進めることができる。このタイプの学習においてよく見られる、いわゆる「蛸壺化現象」を回避するだけでなく、課題や立場を超えた「知のネットワーク」を促進するものである。また、今次学習指導要領改訂では全ての教科等で思考・判断・表現力の育成、言語力の活用、協同的な学びを志向しているが、その実現に大きく寄与できるツールである。Webを活用することで、学校間や学校種を超えての、かつ多様な人による協同的な問題解決を可能としている。
子どもにこんな学びをさせたい」「こんなツールがあると、理想としている学習に少しでも近づける」といった、子どもと日々にかかわっている教師からの思い・願いを最も大切にしていきたい。
「わいわいレコーダー」はまさにこのような教師たちの思いから出発し、そして、教師と研究者と開発者との密接なる連携の下に、試行や意見交換を重ねながら形作られてきたものである。我が研究室も実際に試作段階において大学院および学部の演習で試行した。その上で、大学院に在籍する現職教員や将来教師を目指す学部学生の反応や感想、指摘を開発者に発信してきた。開発者は常に私たちの声に耳を傾け、さらによりよいものを開発・提供したいという思いがずんずんと伝わってきた。
実際の教育場面においても、教師が意図したねらいとは異なる、あるいはそのねらいを超えた学びがしばしば見受けられる。そのプログラムや教材が良質であればあるだけ、その可能性は拡がる。
「わいわいレコーダー」も、私たちを含む広い意味での開発者集団が意図していなかった様々な活用のあり方が提案されている。
可能性がどんどんと拡がるソフト、楽しいではないか、わくわくするではないか。「わいわいレコーダー」という名の一つの共通のツールが利用者の思いや願いと共鳴し合って、どんどんと姿形を変えていく、そして、「あなただけのツール」となる。さらなる活用の可能性に挑戦していただきたい。
「わいわいレコーダー」のさらなる活躍・発展に期待して
鳴門教育大学大学院教授 村川 雅弘
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本当に子どもを伸ばすIT活用授業 中川 一史 著/堀田 龍也 著 価格 2,100円(消費税込) 【廃盤】 |